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America! 6 そしてサンクスギビングデイとなった。日本でいう正月みたいなものだと誰かが言っていたが、なんとなくその雰囲気はわかる。
次にベンチューリが作ったと言われる消防署に向かう。地図通りに向かっていったのだが、見つけるのは簡単だった。さすがは消防署だ、こんな日でもお休みではないようだ(当たり前か?)。建物はどうかというと、フツーのレンガの建物である。何を目指したんだろうかこの人。それとも建築内部がものすごいのだろうか。しかし付近にいる消防隊員とおぼしき人たちの雰囲気から、中を見せてくれと軽々しく言う事はできず外回りの拝見のみで終わる。
昼前にニューヨークに着くはずがすでに夕方であった。それでも着くには着いたのだ、ニューヨーク。ポートオーソリィティのバスターミナルは雑踏の地であった。降りて荷物を受け取るもののどっちへ行っていいのかわからない。先ず向かうべき方角はホテルのある東だ。方位磁針を取り出す。示された方向に向かおうとする。ビルの中なのでまっすぐに行けたものではないが、エスカレーターを上がり下り、突き当たれば角を曲り、やっとの思いで外に出る。空を見上げる。先ずはふたたび来たニューヨークに挨拶だ。空気を吸う、そして吐く。光と人の洪水の中で東に向かう。ネオンとビルを見上げながらのたのた進む。8th Ave、7th Ave、6th Ave。通りを見、地図を確認しながらひたすら進む。前にニューヨークに来たのはいつだったろうか、しかし独りで来たのは初めての事だった。土地勘がある訳ではない。しばらくすると天候が急に悪くなってきた。雨かと思ったらすぐに嵐になった。傘を取り出してさしたものの横風が強くて意味がない。晴天の霹靂とはこういうものなのか、街行く人々も皆困惑顔で歩みを早めている。大変だと思いつつも旅とはこういうものだと思う自分がいる。空気を実感し、目を見開き、匂いを嗅ぎとり、自分の二本の脚を使い、ただひたすら前に進む。
予約しておいたホテルに着いた。バンダービルドYMCA、1泊75ドル。ニューヨークの中では格安の部類に入ると思う。受け付けは一人だけ。早く部屋に入って着替えたいと思うものの前の客がなかなか長引いている。待つしかない、旅とは忍耐でもある。ようやくチェックインし部屋の鍵を渡される。エレベーターで上がって部屋に向かう。入ってみればそこは狭くてちっぽけな部屋だった。2m×3mくらいだろうか。これぞ細小、なんて言いたいけど日本のカプセルホテルの方が小さいと言えば小さいか。そこにあったのは2段ベットとテレビとエアコン。トイレとシャワーは別室であった。なんだかユースと変わらない感じだが個室といえば個室であった。衣服を取り出してシャワーに向かう。熱い湯をざっと浴びて着替え部屋に戻る。まだ夕食も食べていない、ついでに言うとお昼も渋滞で何も食べてない。身支度を済ませ、最小限のものを持って部屋を出る。お粗末そうな部屋だけど、それでも鍵はカード式でオ−トロックだったりする。
ホテルがあるのはおよそ国連本部に近い所であった。さっきまでの嵐はどこに消えたのか、雨さえ止んでいた。来た道を戻るようにマンハッタンの中心の方に歩いていく。あちこちに見覚えのあるビルが顔を出してきた。さっきは傘でわからなかったのだ。5th Aveへ。左の方へ曲り少しばかり歩くと飲食関係の店も見えてくるようになった。ホットドックぐらいで良いと思っていたのだが、そういう時に限って屋台も見つからないものだ。銀ぴかのオープンなスープ屋に人だかりが出来ているのを見つけ、値段をチェックしそこに並ぶ。自分の番が来た。ポークのがいいと言うとそれはないと言う。じゃあビーフのでいいと言うとそれもないと言う。じゃあ一体何があると言うんだ?これとこれはあるね・・・。その名前を見てもよくわからなかったが指さしたそれをオーダーする。店とあわせたのか、やはり銀色のプレートの上にご飯とごった煮(?)のようなものが乗って出て来た。近くに席を確保し座って食べる。味はそんなに悪くはなかった。少なくともボストンの中華よりはマシというものだった。食べながらも地図を取り出し場所を確認する。ここはエンパイアを越えたあたりだ。食べてすぐ帰るには少しもったいない。どこを歩こうかと思ったが戻る方角も考えて北に向かうものとする。MOMAあたりまで歩いてみよう♪
ロックフェラーセンターが見えてきた。12月に入ったばかりでまだ少し早いのかもしれないがクリスマスの飾り付けが始まっていた。針金と電飾の天使を見つけた。天に向かって高らかにラッパを鳴らそうとしていた。天使はまだこれから作られるとこだったのだろうか、それともこれで完成だったのか。気に掛かりシャッターを切る。
帰り道、まだ全体を見た訳でもないのに将来自分もこの地で何か作りたいと思った。どうしてなのか詳しく説明できる訳でもないのだが、来て見るだけでは物足りないとすでに思う自分がいる。建築とは夢であり希望でありそして感動だと私は思っている。今日、今、ここに来れて良かったと思った。
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