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平等院鳳凰堂
竣工:1053年
所在地:宇治市宇治蓮華
オカネにもなっているくらい有名な建築だけどなかなか見に行く機会を逃していた。言い訳がましくもあるが宇治となると京都市内よりは少しばかり外れる。京都行きの予定を立てて最初のうち見に行く予定をしていても結局は行けなくなるという事ばかりだった。ようやく行けたのは数年前の年の暮れ。冬は、京都の建築を見るには人が少なくて良い時期だ。平等院も観光のための施設は整っているものの人気は少ないものだった。見学料を払い中に案内される。建築を見る喜びと同時に足元からじわじわと、しかししっかりとした冷たさを覚える事となった。案内の人を見てみれば靴下は厚手のものを、それも2重に履いている。”京都の冬には必需品ですよ”とそこで教えられたものだった。水で囲まれた建築をまわりから眺める。大火があったというが、この水こそが延焼を食い止める働きをしたのだそうだ。デザインされたのは今からおよそ1000年も昔の事となるが美しいものは美しい。左右に伸びる回廊の2階部分は背が低く実際は機能しないものである。しかしながら見もしない極楽浄土を表現しようとし未知の建築に向かったその意思は現代においても通用するものと思う。
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