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ウェスティン都ホテル 佳水園
設計:村野藤吾/村野・森建築事務所
竣工:1960年
所在地:京都市東山区三条蹴上
京都に行った折、泊るなら是非俵屋と思っていたのだが生憎その日は満室で(というのは口実であくまでも予算の都合だったんだが)代わりにネットで様々の宿を探しているうちに村野藤吾の都ホテルに行き当たった。しかし大幅に改装されている事を知っていたので何も期待はしていなかったのだがこの和風別館佳水園はほぼ手付かずで運営されている事を知った。なおかつその日は空きがあるという事で泊る事が出来、ラッキーだった。到着し部屋に通される。そこに行くまでの庭の造り、空間の流れ、吟味されたであろう木材の数々は私を圧倒するものであり自分の不勉強を感じ私が泊るにはまだ早いのではないかと思いもした。
朝。起きて思わず障子の光に目がいった。外にある樹木を通り抜けて障子の白い紙にその陰影が写し出されていたのだがそのやわらかくも儚げな姿を見た時に建築家村野藤吾に改めて畏敬の念を覚える事となった。

しかしながらその一方で旅館としてのメンテナンスの不備も感じもし、洋室ばかりに重点が置かれるようになったこの宿の行方を案じる事はないものの何か勿体無い事をしているようなそんな錯覚した感覚に捕われもしたものだった。

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